アドビシステムズ
アドビシステムズ(Adobe Systems Incorporated)は、ジョン・ワーノックとチャールズ・ゲシキによって1982年12月に設立された、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市に本社を置くコンピュータ・ソフトウェア会社である。
日本法人であるアドビシステムズ株式会社は、東京都品川区大崎に所在。
歴史
パロアルト研究所にいたチャールズ・ゲシキとジョン・ワーノックは、ページ記述言語・インタープレスの研究開発を行っていたが、ゼロックスはこれをビジネスには利用しようとしなかったため、独立を決意し、1982年にAdobe Systemsを設立した。社名は、当時ロスアルトスにあったワーノックの自宅の裏を流れる22.9 kmの小川Adobe Creekの名前からとったとされている。
当初はページ記述言語をもとに、DTPシステム自体を事業の核にしようと考えていた。アップルコンピュータでは新しくレーザープリンターを開発していたが、高精度な印刷ができないことに悩んでいたスティーブ・ジョブズがこのようなページ記述言語の存在を知り、アップルのレーザープリンターに供給することを依頼した。この結果、アドビはハードウェアメーカーではなく、プリンターメーカーにページ記述言語を供給するソフトウェアメーカーとなった。
1985年にPostScriptを発表。この頃の売り上げの大半はアップルからのライセンス使用料であった。しばらくはPostScriptのライセンス供与がビジネスの柱であったが、1987年にIllustratorを発表して、アプリケーションプログラムの販売に参入する。
1989年にはPhotoshopを発売。このころまで、アドビのビジネスは「紙に印刷すること」を目指していたが、動画編集ソフトのPremiereの開発・発売、さらにAcrobat・PDFを開発することで、ビジネスの方向をディジタルデータのオーサリングに向けることになる。
1994年、アルダスを買収。After Effects、Persuasion、PageMakerと後のInDesignの元となる技術と開発者を手に入れる。
設立以来、アップル(macOS、iOSではOSレベルでOpenTypeやPDFを採用)、スティーブ・ジョブズ(NeXTでは全面的にPostScriptを採用)との関係が深いが、Windows 95が発売されて以降、OpenTypeの設計・策定などを含めマイクロソフトとの関係も深くなっている。
2005年4月19日、競合会社であり訴訟合戦を繰り広げていた[1][2][3]マクロメディア社を買収[4]、12月3日に買収を完了した。
2009年10月にアクセス解析関連のマーケティングサービス会社であるOmnitur社のすべての発行済み株式を普通株1株当たり現金21.50ドル支払うことにより取得する株式公開買付を実施、株式の希薄化後純資産約18億ドル相当の取引にて10月23日に買収を完了した。
製品
脚注
- ↑ 米アドビに対する特許侵害訴訟で米マクロメディアに軍配 2002/05/13 ITpro 日経コンピュータ
- ↑ Adobe と Macromedia、泥沼の訴訟合戦に終止符
- ↑ AdobeとMacromedia、特許訴訟で和解
- ↑ アドビ システムズ社がマクロメディア社を買収 for immediate release - About Adobe
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト (英語)
- 公式ウェブサイト (日本語)
- 図書館にあるに関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ (英語)
座標: 西経121度53分37秒北緯37.33083度 西経121.89361度