ゆとり世代
ゆとり世代(ゆとりせだい)とは、ゆとり教育(ゆとりきょういく)を受けた世代のこと。
Contents
定義・範囲
ゆとり世代については明確な定義、範囲はなく諸説ある。
- 小中学校において2002年度施行[1][2](高等学校は2003年度[3])の学習指導要領による教育を受けた世代(1987年4月2日 - 2004年4月1日生まれ[4])。
- 小中学校において1980年度以降(高等学校は1982年度以降)の学習指導要領[5][6]による教育を受けた世代[7]。1966年度生まれ以降[8]。
背景
ゆとり世代の背景
文部科学省の出版する学制百二十年史によると、1980年代から全面実施された学習指導要領の改訂では大幅な学習量の精選と思い切った授業時間の削減が行われた[9]。この改訂から学力低下を危惧する声が出始め[10]、『日本の教育がよく分かる本』(PHP文庫出版)では、「詰め込み教育」世代と「ゆとり教育」世代に分けた時、1980年の学習指導要領改訂を論拠として、ゆとり教育世代には30代や40代も含まれると指摘している。更に、1980年、小学校から「ゆとり教育」が実施された世代こそ「ゆとり世代」の草分けともされている[7]。
その後、さらなる知識偏重からの脱却を目指し思考力(生きる力)[11]に重きをおいた学習指導要領が小中学校で2002年度[1][2]、高等学校では学習指導要領の改定が2003年度の第1学年から学年進行で実施された[3]。この改定された学習指導要領をマスコミなどは「ゆとり教育」と呼称し、はじめに受けたことになる1987年4月2日 - 1988年4月1日生まれ(当時中学生)の世代を「ゆとり第一世代」と呼称するようになった[12][13][14]。
なお、ゆとり教育(2002年実施の学習指導要領)を受けたことのある世代は、1987年4月2日から2004年4月1日生まれである[4]。
戦後の教育の背景
第二次世界大戦後の日本の教育は、「経験主義的教育」→「詰め込み教育(系統学習論)」→「ゆとり教育(人間性・思考力・判断力・表現力重視)」→「脱ゆとり教育(ゆとりでも詰め込みでもない教育)」と推移してきた[15]。『日本の教育がよく分かる本』では1947年の学習指導要領における教育を各学校への裁量権が大きかった事で「ゆとり教育」と呼んでいる。
スプートニク・ショックの影響を受けて教育の現代化(詰め込み教育)が起こり、1960年~1970年代に経験主義的な教育から系統的な教育、そして詰め込み教育と変遷していった。しかし、高度で過密な教科内容と新幹線授業と呼ばれるほどの早い教育は、落ちこぼれを増加させてしまう結果となった[16]またこのような教育で詰め込まれた知識は試験が終わると忘れてしまう「剥落学力」であるという指摘もあった。[17]
そのような反省から、1980年代から全面実施された学習指導要領の改訂では大幅な学習量の精選と思い切った授業時間の削減が行われた[9]。この改訂は、近代化カリキュラムと呼ばれた、所謂「詰め込み教育」の反省から、「ゆとりと充実」を掲げて教育方針を方向転換するものであった。教育において「ゆとり」ということばが出たのは、このときである、この時には教科外の時間として「ゆとりの時間」も導入された。[18]。
2002年からは知識偏重から脱却し、思考力を重視した学習指導要領が実施され「総合的な学習の時間」の新設、教科書内容に討論、発表、調査などを多く盛り込むなどの大幅な改革が行われた。[19]
マスコミなどは2002年の学習指導要領を指してゆとり教育と呼称するようになったが、文部科学省はゆとり教育との言葉を正式に用いておらず、あくまでマスコミの造語である。
しかし学力低下の不安から、小学校は2011年度、中学校では2012年度、高等学校では2013年度から学年進行で学習指導要領の再改定が実施された[20]。この改定後の教育はマスコミから脱ゆとり教育と呼ばれている[21]。
成長過程
年代区分については諸説あるが、ここでは主に1987年度生まれから2003年度生まれまでについてを述べる。
1987年度生まれ - 1989年度生まれ
バブル景気の頃に生まれている世代。
- 学生時代
- 中学校在学中の2002年度から学校完全週5日制に変更され、2006年から大学入試の基準が変更となった。センター試験では、リスニングが追加された。また、この世代以降、薬学部薬学科が6年制教育となった。総授業時間は2004年度以降の世代よりも多かった世代である。
- 就職活動の時期
- この世代は順当に進んだ場合、2010年 - 2012年に大学を卒業する。この世代は世界的な金融危機などの影響により厳しい就職状況で就職活動を行った。2010年卒(大卒)(1987年度生まれ)の就職率は60.8%であった(男56.4%、女66.6%)。また、2011年3月に東日本大震災もあり、マスコミによっては、超氷河期、超就職氷河期などと表現する人もいる[22]。
1990年度生まれ - 1995年度生まれ
バブル景気の末期からバブル崩壊後に生まれた世代。
- 学生時代
- 1995年度生まれが小学校に入学した2002年度から学校完全週5日制が開始され、1990年度生まれ - 1994年度生まれは小学生時代の途中からそれらが開始された。1995年度生まれは、小・中学校の全期間(小学1年〜中学3年[注 1])でゆとり教育を受けている[4]。
- この世代は、その後、脱ゆとり教育が本格的に施行される前に卒業しているが、保護者(1971年 - 1979年に実施された現代化カリキュラムによる詰め込み教育を受けた世代が多い)が公立学校でのゆとり教育に対し不安や不信を抱いて早くから学力への危機感を持ったことから、学習塾への通塾者が増えたり、ゆとり教育や学校週5日制を実施しない私立の中高一貫校を中学受験した者が増えたほか(2008年には私立中学受験率は首都圏で14.8%と過去最高を記録した)、さらに地域によっては学力改善のための教育を学校や自治体独自で取り組むといったもことも行われたため、PISA2009では学力が回復傾向を示した世代でもある[23]。
- 就職活動の時期
- この世代は順当に進んだ場合、2013年 - 2018年に大学を卒業する。就職率は2010年卒以降増加しており2013年卒(大卒)(1990年度生まれ)は67.3%と、売り手市場の時とほぼ近い値まで回復している(売り手市場であった2008年卒は69.9%)[24]。また、学生調査においても就職状況が厳しいと答える学生が過半数ではあるものの、楽だと答える学生が年々増加しており、2014年卒(1991年度生まれ)の学生は33.9%が楽と答えている(2010年卒は1.2%)[25]。また、人事担当者による調査によると、2011年卒や2012年卒までの就職状況では「氷河期」と答えている人が多かったが2015年卒の就職状況は、「氷河期」(11.8%)と答える人よりも「売り手」(19.4%)と答える人の方が多く[26]、逆に人手不足が問題となっている[27]。(下の表を参照)
1996年度生まれ - 2003年度生まれ
1997年のアジア通貨危機に伴うゼロ金利政策(1999年)や戦後初のデフレ宣言(2001年)[28]が出された時期に生まれた世代。
- 学生時代
- 小学校入学時はゆとり教育(2002年施行の学習指導要領)施行下であった(1996年 - 1998年生まれは中学校入学時もゆとり教育施行下)。小学生または中学生時代の途中から脱ゆとり教育が始まった世代である。2011年度から小学校で、2012年度からは中学校で新学習指導要領が施行された。学校週5日制については「生きる力」を育むため必要だとされ、2011年以降も維持されている。しかし土曜日の扱いは学校や自治体の権限に委ねられるようになっている。通知表等はゆとり教育時と変わらず絶対評価のまま、「生きる力」を重視するなどの教育方針は変わっていない。
ゆとり世代と少子化
ゆとり世代の中でも(ゆとり第一世代)は、少子化問題が表面化しだしたころに生まれた世代でもある。これは、丙午による出生率減によって合計特殊出生率が1.58であった1966年よりも低い合計特殊出生率1.57を1990年に記録し[注 2]、これが「1.57ショック」と呼ばれたことから、注目を集めたためである[29]。
1987年、1990年、1995年、2000年、2003年生まれの出生数、出生率、合計特殊出生率を示す[30]。
誕生年度 | 出生数 | 出生率(‰) | 合計特殊出生率 |
---|---|---|---|
1987 | 1,346,585 | 11.1 | 1.69 |
1990 | 1,221,585 | 10.0 | 1.54 |
1995 | 1,187,064 | 9.6 | 1.42 |
2000 | 1,190,547 | 9.5 | 1.36 |
2003 | 1,123,510 | 8.9 | 1.29 |
ゆとり世代の就職
ゆとり世代の就職氷河期と売り手市場
2006年から2008年にかけて、一時的な景気の回復により、2006年から2009年に卒業して就職した者(ゆとり第一世代の高校・短大・専門学校卒など)には売り手市場の恩恵を受けた者もいるが、サブプライムローン問題に端を発する世界金融危機などの要因による急激な景気悪化により、1987年度生まれ周辺の就職状況は厳しくなった。特に1987年度生まれの大卒(2010年卒)の就職率は、前年比で7.6%という大幅減少で60.8%(男56.4%、女66.6%)であった。この数値は、統計上過去最低の2003年卒の55.0%(男52.6%、女58.8%)[31]よりは高い数値であるが、前年比で7.6%と大きな就職率の減少であった[32]。読売新聞社の調査によれば、このような就職状況の悪化から、2010年大学卒業予定者だった約56万8000人のうち、約7万9000人(7人に1人)以上が就職留年を選択している[33][34][35]。また、2011年3月に東日本大震災もあり、マスコミによっては、(就職)超氷河期、超就職氷河期などと表現する人もいる[36]。さらに、2009年から2012年頃にかけて大卒で就職活動を行った1987年度 - 1989年度生まれのゆとり第一世代を新(就職)氷河期世代、リーマンショック世代などと呼ぶ人もいる[37][38]。
しかし、就職率は2010年卒以降増加しており2013年卒(大卒)(1990年度生まれ)は67.3%と、売り手市場の時とほぼ近い値になっている(売り手市場であった2008年卒は69.9%)[39]。また、学生調査においても就職状況が厳しいと答える学生が過半数ではあるものの、楽だと答える学生が年々増加しており、2014年卒(1991年度生まれ)の学生は33.9%が楽と答えている(2010年卒は1.2%)[40]。そして、2015年卒の就職率は72.6%と、21年ぶりに70%を超えるほどにまで回復した[41][42]。また、人事担当者による調査によると、2011年卒や2012年卒までの就職状況では「氷河期」と答えている人が多かったが2015年卒の就職状況は、「氷河期」(11.8%)と答える人よりも「売り手」(19.4%)と答える人の方が多く[43]、逆に人手不足が問題となっている[44]。(下の表を参照)
なお、2012年卒から正規雇用と非正規雇用の就職率も調査している。非正規雇用の就職率については、2012年卒から3.9%、4.1%、3.9%、3.7%となっており、ほぼ横ばい、もしくは微減状態である[45]。
ゆとり世代の就職率
以下、留年、浪人等のない場合の学歴別就職率である[注 3]。 1987年度生まれは、留年、浪人をしなければ、2003年に中学を卒業、2006年に高校を卒業、2008年に専門、短大を卒業、2010年に大学を卒業、2012年に修士を卒業、2015年に博士を卒業する。ここでの就職率は、卒業者のうち就職した者の割合であるため、進学率の高い高卒は就職率が低い[注 4]。また、男女比は学歴によって格差があり、高卒、修士卒、博士卒は男性の方が就職率が高いのに対して、専門卒、短大卒、大卒は女性の方が就職率が高い。
■ : 就職氷河期(2010年-2013年卒)
誕生年度 | 高校卒 | 専門卒 | 短大卒 | 大学卒 | 修士卒 | 博士卒 |
---|---|---|---|---|---|---|
1987 | 18.0 | 54.2 | 72.0 | 60.8 | 73.3 | 67.2 |
1988 | 18.5 | 53.6 | 69.9 | 61.6 | 73.7 | - |
1989 | 19.0 | 51.5 | 65.4 | 63.9 | 74.4 | - |
1990 | 18.2 | 54.3 | 68.2 | 67.3 | 76.2 | - |
1991 | 15.8 | 57.6 | 70.8 | 69.8 | - | - |
1992 | 16.3 | 58.0 | 73.5 | 72.6 | - | - |
1993 | 16.8 | 57.6 | 75.2 | - | - | - |
1994 | 17.0 | 58.3 | 78.1 | - | - | - |
1995 | 17.5 | - | - | - | - | - |
高校卒 | 専門卒 | 短大卒 | 大学卒 | 修士卒 | 博士卒 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 | 男 | 女 |
17.5 | 57.6 | 75.2 | 69.8 | 74.4 | 66.0 | ||||||
21.1 | 13.9 | 56.4 | 64.1 | 56.3 | 77.4 | 64.9 | 75.8 | 79.2 | 62.8 | 69.8 | 57.4 |
生まれ | 年卒 | 超氷河期 | 氷河期 | どちらでもない | まだ売り手市場 | かなり売り手市場 |
---|---|---|---|---|---|---|
1988 | 2011 | 12.5 | 51.8 | 29.6 | 5.2 | 0.8 |
1989 | 2012 | 11.7 | 51.8 | 30.9 | 4.7 | 0.8 |
1990 | 2013 | 11.0 | 39.3 | 41.3 | 6.8 | 1.8 |
1991 | 2014 | 7.1 | 37.8 | 46.6 | 6.6 | 1.9 |
1992 | 2015 | 1.9 | 11.8 | 61.9 | 19.4 | 5.0 |
ゆとり世代の就職活動や企業の変化
ゆとり世代が就職するころ、企業によっては会社の形が少し変化するところもあった。会社によっては英語を公用語にしたり[52]、外国人の採用を増やしたり[53]、3年以内既卒者を新卒と扱う動き[54]など企業や採用のスタイルが変わりつつあった。
学生が就職活動に専念しすぎて、学業がおろそかになるとの懸念から、採用時期を遅らせるようになった(下の表参照)[55][56]。ただし、実際はインターンシップが採用の場となりつつあり[57]、結局就活の負担が減らないどころかむしろ採用時期が遅くなった分負担が増えたところもある。
実際、後ろ倒ししたことによってかえって就職活動や採用活動が長期化した、暑い時期に就職活動しなければならなくなったなど、経団連加盟企業の8割以上が悪影響があったと答えていた。そのような状況だったため、2017年卒以降選考開始時期を2か月前倒しすることが決まった[58]。以下、その変化の表である。
2010年-2012年卒 | 2013年-2015年卒 | 2016年卒 | 2017卒以降 | |
---|---|---|---|---|
広告活動 | 大学の日程を尊重 | 前年の12月以降 | 3月以降 | 3月以降 |
選考活動 | 早期開始の自粛 | 4月以降 | 8月以降 | 6月以降 |
内定日 | 10月以降 | 10月以降 | 10月以降 | 10月以降 |
ゆとり世代の文化・特徴
ここでは主に1987年生まれから1989年生まれのゆとり第一世代の文化と特徴について述べる。
情報化社会の急速な発展の中で成長した世代で、幼少期にはポケットベルが隆盛を迎え、PHSも登場、学齢期には携帯電話の普及率が上昇、飽和化し、インターネットも爆発的な発展をとげ、メールをはじめmixi、twitter、Facebookに代表されるSNSやソーシャルネットワークがコミュニケーションツールとして完全に定着した。通信端末の所持が不可欠な世代である[64]。このように生まれたころからインターネットやパソコンがある環境の中で育ったため、「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれている。
音楽においては主に1990年代、2000年代の影響を受ける[注 5]。ただ音楽シーンにおける趣向、ジャンルの多様化、音楽メディアやインターネットの発達(デジタル・ダウンロードなど)などの影響もあり多彩な影響を受けている。
バブル経済崩壊のあとに長らく続く経済停滞の風潮を受け、戦後の経済成長期の世代と比較すると堅実で安定した生活を求める傾向があり、流行に左右されず、無駄がなく自分にここちいいもの、プライドよりも実質性のあるものを選ぶという消費スタイルをもっている[65]。また、結果を悟り高望みをしないため、この世代は「さとり世代」とも呼ばれている。
また、就職においては、厳しい就職状況から企業選択の視野が広がっており[66]、女性では専業主婦を希望する人も多い[65]。
授業時数
以下にゆとり教育前の教育、ゆとり教育、脱ゆとり教育の移行措置教育、脱ゆとり教育のそれぞれの学年での授業時数を示す。
資料
色 | 白 | 赤 | 黄色 | 青 |
---|---|---|---|---|
示している教育 | ゆとり教育前の教育 | ゆとり教育 | 移行措置 | 脱ゆとり教育 |
年度生まれ | 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | 総授業時間数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1986 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1050 | 1050 | 1050 | 8935 |
1987 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1050 | 1050 | 980 | 8865 |
1988 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1050 | 980 | 980 | 8795 |
1989 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 980 | 980 | 980 | 8725 |
1990 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8655 |
1991 | 850 | 910 | 980 | 1015 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8585 |
1992 | 850 | 910 | 980 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8515 |
1993 | 850 | 910 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8445 |
1994 | 850 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8375 |
1995 | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8307 |
1996 | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 8307 |
1997 | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 8377 |
1998 | 782 | 840 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 8447 |
1999 | 782 | 840 | 910 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8517 |
2000 | 782 | 840 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8552 |
2001 | 782 | 875 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8587 |
2002 | 816 | 875 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8621 |
2003 | 816 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8656 |
2004 | 850 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 8690 |
※私立学校ではこの限りではない。また、公立学校においても必ずしも上記の状態であったわけではない。
ゆとり世代のPISAの結果
ゆとり世代のPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果は以下の通りである。順位の下落が問題となったが、参加国数の増加、各国の教育水準の向上などにより前の世代との単純比較はできない。
PISA | 受験対象生まれ | 読解力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー |
---|---|---|---|---|
PISA2003 | 1987年度生まれ | 14位 | 6位 | 1位 |
PISA2006 | 1990年度生まれ | 15位 | 10位 | 5位 |
PISA2009 | 1993年度生まれ | 8位 | 9位 | 5位 |
PISA2012 | 1996年度生まれ | 4位 | 7位 | 4位 |
教科ごとの順位の推移
■ : PISA2003以降参加国[注 6]
■ : PISA2006以降参加国
■ : PISA2009以降参加国
順位 | PISA2000 | PISA2003 | PISA2006 | PISA2009 | PISA2012 |
---|---|---|---|---|---|
1 | フィンランド | フィンランド | 韓国 | 上海 | 上海 |
2 | カナダ | 韓国 | フィンランド | 韓国 | 香港 |
3 | ニュージーランド | カナダ | 香港 | フィンランド | シンガポール |
4 | オーストラリア | オーストラリア リヒテンシュタイン |
カナダ | 香港 | 日本 |
5 | アイルランド | ニュージーランド | シンガポール | 韓国 | |
6 | 韓国 | ニュージーランド | アイルランド | カナダ | フィンランド |
7 | イギリス | アイルランド | オーストラリア | ニュージーランド | アイルランド |
8 | 日本 | スウェーデン | リヒテンシュタイン | 日本 | 台湾 |
9 | スウェーデン | オランダ | ポーランド | オーストリア | カナダ |
10 | オーストリア | 香港 | スウェーデン | オランダ | ポーランド |
11 | ベルギー | オランダ | |||
12 | ノルウェー | ベルギー | |||
13 | スイス | エストニア | |||
14 | 日本 | スイス | |||
15 | マカオ | 日本 |
順位 | PISA2000 | PISA2003 | PISA2006 | PISA2009 | PISA2012 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 日本 | 香港 | 台湾 | 上海 | 上海 |
2 | 韓国 | フィンランド | フィンランド | シンガポール | シンガポール |
3 | ニュージーランド | 韓国 | 香港 韓国 |
香港 | 香港 |
4 | フィンランド | オランダ | 韓国 | 台湾 | |
5 | オーストラリア カナダ |
リヒテンシュタイン | オランダ | 台湾 | 韓国 |
6 | 日本 | スイス | フィンランド | マカオ | |
7 | スイス | カナダ | カナダ | リヒテンシュタイン | 日本 |
8 | イギリス | ベルギー | マカオ リヒテンシュタイン |
スイス | リヒテンシュタイン |
9 | ベルギー | マカオ スイス |
日本 | スイス | |
10 | フランス | 日本 | カナダ | オランダ |
順位 | PISA2000 | PISA2003 | PISA2006 | PISA2009 | PISA2012 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 韓国 | フィンランド 日本 |
フィンランド | 上海 | 上海 |
2 | 日本 | 香港 | フィンランド | 香港 | |
3 | フィンランド | 香港 | カナダ | 香港 | シンガポール |
4 | イギリス | 韓国 | 台湾 | シンガポール | 日本 |
5 | カナダ | リヒテンシュタイン オーストリア |
エストニア 日本 |
日本 | 韓国 |
6 | ニュージーランド オーストリア |
韓国 | フィンランド | ||
7 | マカオ | ニュージーランド | ニュージーランド | アイルランド | |
8 | オーストリア | オランダ | オーストリア | カナダ | 台湾 |
9 | アイルランド | チェコ | オランダ | エストニア | カナダ |
10 | スウェーデン | ニュージーランド | リヒテンシュタイン | オーストリア | ポーランド |
− 資料:OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
脚注
注釈
- ↑ 中学2年および3年は脱ゆとり教育までの移行期間[4]。
- ↑ 出生数は1987年に134万人台まで減少しており、既にこの時点で丙午の1966年の水準(136万人)を下回っていた。
- ↑ 留年や浪人をした人は、その年数分ずれる。
- ↑ 大卒に関しては、就職希望者のうち就職した者の割合を示す、就職(内定)率というものもある。
- ↑ 例・小学校低学年や中学年時点ではglobeやTRF・安室奈美恵等の小室ファミリー、小学校高学年や中学生時点ではモーニング娘。等のハロプロ系、中高生時点ではヒップホップやR&Bアーティスト等が挙げられる。
- ↑ オランダは2000年に参加したが、基準を満たしていなかったためPISA2000の結果から除外された[67]。
出典
- ↑ 1.0 1.1 “小学校学習指導要領(平成10年12月)”. 文部科学省. . 2014閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “中学校学習指導要領(平成10年12月)”. 文部科学省. . 2014閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 “高等学校学習指導要領(平成11年3月)・附則”. 文部科学省. . 2014閲覧. 「平成15年4月1日から施行する。ただし、改正後の高等学校学習指導要領は、同日以降高等学校の第1学年に入学した生徒に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用する。」となっている
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 “ゆとり後期世代は「意外と有能」説の根拠”. DIAMOND Online. ダイヤモンド社 (2016年10月12日). . 2017閲覧.
- ↑ “小・中学校の学習指導要領の改訂等”. 文部科学省. . 2016閲覧.
- ↑ “高等学校の学習指導要領の改訂等”. 文部科学省. . 2016閲覧.
- ↑ 7.0 7.1 “アラフォー世代は、実は、初代ゆとり世代(おおた としまさ :育児・教育ジャーナリスト)” (2014年1月16日). . 2016閲覧.出典内(2014年当時)において、1980年、小学校から「ゆとり教育」が実施された。ちょうど僕が小学校に上がった年。つまり実は僕たち世代こそ、「ゆとり世代」の草分けなのだと述べている。
- ↑ “「つぶしが利く人間とは」京都大学経済研究所 特任教授 西村和雄 氏『サイエンスポータル』より”. . 2016閲覧.ゆとり世代(66年4月-78年3月生まれ)」とある。
- ↑ 9.0 9.1 “一 教育課程の改訂 昭和五十二年の小・中学校の教育課程の改訂”. 文部科学省. . 2016閲覧.
- ↑ 江見圭司「ゆとり教育で不足した学力はどこで補完するのか〜社会人になるために〜」、『アキューム』第20号、京都コンピュータ学院、. 2016閲覧.出典内において「高等学校卒業までに1966年度生まれは中3から4年間のゆとり」とある。
- ↑ “新学習指導要領・生きる力”. 文部科学省. . 2013閲覧.
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- ↑ カリキュラムの変遷と学習指導活性化の観点
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- ↑ 教育改革の基本的方向
- ↑ “教育改革の基本的方向”. 国立教育政策研究所. . 2016閲覧.出典内の後半102行目辺り
- ↑ 教育改革の基本的方向
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- ↑ 人事担当者に聞く、2015年新卒採用に関する調査
- ↑ 人手不足で会社が潰れる!時給アップでも集まらないパート・アルバイト…深刻な小売り、建設、外食、介護
- ↑ デフレ判断について
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- ↑ 新就職氷河期世代も辛酸をなめ続けるのか
- ↑ '11新入社員“新氷河期世代”の傾向 2011年度入社予定内々定者意識調査について
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- ↑ e-Stat 学校基本調査
- ↑ 大卒就職率21年ぶり70%超える 学校基本調査
- ↑ 人事担当者に聞く、2015年新卒採用に関する調査
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- ↑ 親子で乗り切る「今」の就活
- ↑ 16年新卒から就職活動は大学3年3月スタートへ
- ↑ 就活後ろ倒しで一気に加速? 「インターンシップ」3年生8月に内定出す
- ↑ 就活の解禁時期、1年で見直しへ
- ↑ 大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章(2009年10月20日改定)
- ↑ 採用選考に関する企業の倫理憲章(2011年3月15日改定)
- ↑ 採用選考に関する指針(2013年9月13日改定)
- ↑ 企業の採用スケジュールの比較早見表
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参考文献
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- 後藤和智 『おまえが若者を語るな!』 角川書店〈角川oneテーマ21 C-154〉、2008年9月。ISBN 978-4-04-710153-1。
- 広田照幸・伊藤茂樹 『どう考える?ニッポンの教育問題 教育問題はなぜまちがって語られるのか? 「わかったつもり」からの脱却』 日本図書センター、2010-09-16。ISBN 978-4-284-30442-9。