さくらインターネット
さくらインターネット株式会社(英: SAKURA Internet Inc.)は大阪市北区に本社を置く、ホスティングサーバを中心とするデータセンター事業およびインターネットサービス事業を行う企業である。日本のインターネット黎明期よりホスティングサーバの提供を行っており、日本最大手でもある。
沿革
- 1996年(平成8年)12月23日 - 現代表取締役社長の田中邦裕によってさくらインターネットが創業。ホスティングサーバ事業を開始。もともとは田中が舞鶴工業高等専門学校に在学中、学生寮内で知人にサーバを貸したところ好評で、学外から依頼が来るようになったことがきっかけだった[1]。
- 1999年(平成11年)8月 - さくらインターネット株式会社が設立される。
- 1999年(平成11年)10月 - データセンター事業を開始。
- 2000年(平成12年)4月 - エス・アール・エス株式会社、有限会社インフォレストと合併し、商号をエスアールエス・さくらインターネット株式会社へと変更。
- 2004年(平成16年)7月 - 商号をさくらインターネット株式会社へ変更。
- 2005年(平成17年)10月 - 東証マザーズへ上場。
- 2006年(平成18年)8月 - オンラインゲーム事業を開始。米Turbine社の『ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ』と『The Lord of The Rings Online』の日本語版を運営。
- 2007年(平成19年)11月 - オンラインゲーム事業の不振によって、特別損失を計上し債務超過に陥いる。
- 2008年(平成20年)2月 - 双日に第三者割当増資を実施し、同社の持分法適用会社になるとともに、債務超過を解消する。
- 2009年(平成21年)7月 - さくらインターネット研究所を開設。
- 2009年(平成21年)9月 - オンラインゲーム事業を終了。
- 2011年(平成23年)2月 - 連結子会社化を目的として、双日によるTOBを実施。
- 2011年(平成23年)11月 - クラウドコンピューティングに最適化した、日本最大級の郊外型大規模データセンターを北海道石狩市に建設。
- 2015年(平成27年)11月 - 上場市場をマザーズから東京証券取引所市場第一部へ変更[2]。
- 2017年(平成29年)3月 - 公募増資と双日による株式の一部売却により、連結子会社から外れる
- 2017年(平成29年)6月 - 本社をグランフロント大阪内に移転[3]。
特徴
“高品質かつコストパフォーマンスに優れたサービスを提供する”を経営理念の一つとして掲げ、同業他社と比べても料金が安価な事、また、国内最大級[4]の総計892Gbpsのバックボーン回線(2017年10月6日現在)を有し、日本のインターネットの黎明期から事業を開始していることによる信頼性などから、個人から法人まで幅広く利用されている。2015年7月1日、JPIX東京と100GbE接続を開始した。
サービスでの価格破壊の先陣を切る事が多く、当時1,000~2,000円が相場だったレンタルサーバーを、缶ジュース並(125円)の価格で提供した。そのコストパフォーマンスの高さから、mixiやGREE、2ch、はてな、ニコニコ動画など、日本の大手IT企業のスタートアップ時には、さくらインターネットが使われていた[5]。
ハウジングサービスに関しては、豊富な契約プランとセキュリティ性、強力な耐災害性を持ち、有償サポートでラック内にネットワークを構築する場合、目的と予算を伝えれば、あとは任せるといった柔軟な対応も行える。
耐災害性においては、2006年8月14日に三国屋建設クレーン船が起こした接触事故(2006年8月14日首都圏停電)や、2011年3月11日に起こった東日本大震災においても、全てのデータセンターで被害ゼロという実績を残している。
なお2008年12月19日に西新宿データセンターにおいて、変圧器メーカーの組み立てミスに起因する発煙事故が発生している。
耐震性については、基本的に震度7の地震にも耐え、自社の無停電電源装置とエンジン自家発電機によって、ある程度の間は電源供給ができる構造となっている。また、セキュリティについては、すべての拠点において、出入り口やコロケーションルーム、その他殆どの扉が、カードキーによる認証によってのみ開錠可能となっている。
約款上の特徴として、18禁・アダルト向けの内容(ただし創作物のみで、実写は含まず)の公開も認められているため、一時は多くの同人サークルがsakura.ne.jpやdojin.comドメインのウェブサイトを利用していた。
専用サーバの稼動数は国内有数の規模であり、2009年3月末時点で1万台以上の稼動実績がある[6]。また、レンタルサーバについても30万[7]を超えるユーザが利用している。
事業内容
法人向け
個人向け
脚注
- ↑ 社長ごあいさつ | 20周年記念サイト | さくらインターネット
- ↑ “東京証券取引所市場第一部への市場変更に関するお知らせ (PDF)”. さくらインターネット株式会社 (2015年11月27日). . 2016閲覧.
- ↑ “本社移転に関するお知らせ (PDF)”. さくらインターネット株式会社 (2017年3月15日). . 2017閲覧.
- ↑ 国内最大級の大容量バックボーン - さくらインターネット
- ↑ 成功するネットサービスの十分条件の一つ : ひろゆき@オープンSNS
- ↑ さくらインターネット、専用ホスティングサービスのサーバ稼動数が1万台を突破 - RBB TODAY
- ↑ さくらインターネット、「さくらのレンタルサーバ」の契約件数が30万件を突破 - プレスリリース
関連項目
- 石狩データセンター
- ライジング・サン・ロックフェスティバル - 会場近くでデータセンターを運営している縁で、無料公衆無線LANサービスを提供している。
外部リンク