α-リポ酸

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リポ酸(lipoic acid、別名:α-リポ酸、チオクト酸)は、多数の酵素の補助因子として欠かせない光学活性のある有機化合物である。この分子はカルボキシル基と環状のジスルフィドを含んでいる。生物学上で重要なのはRの方である。

リポ酸は好気性生物代謝、特にクエン酸回路ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PDC)の補因子としての役割を持つ。α-リポ酸はアシル基もしくはメチルアミン2-オキソ酸デヒドロゲナーゼ(2-OADH)とグリシンデカルボキシラーゼ複合体(GCV)のそれぞれに運搬する[1]

リポ酸の酸化体はβ-リポ酸、還元体はジヒドロリポ酸である。

用途

日本では成分本質 (原材料) では医薬品でないものに分類される。 過去、日本国内では医薬品の成分としてのみ取り扱われていたが、2004年より一般のサプリメントに配合してよい成分となり、一般販売されるようになった。

有効性

24研究のメタアナリシスではアルファリポ酸が、空腹時血糖値、インスリン、インスリン抵抗性、ヘモグロビンA1c、トリアシルグリセロール、LDLコレステロールを改善する可能性があることを裏付けた[2]

平均54歳33人の女性を用いた盲検化されたランダム化比較試験で、顔の肌の老化に対してアルファリポ酸5%のクリームは、これを含まないクリームよりも症状を改善した[3]。5%アルファリポ酸の外用薬は光線によって老化した顔の皮膚を改善したという、比較対照のない小規模研究(写真あり)[4]

安全性

インスリン自己免疫症候群(低血糖発作)の誘因となるという報告がある[5]。 また、糖尿病患者への使用では低血糖への注意が必要である。[6]

参考文献

出典

  1. Perham RN (2000). “Swinging arms and swinging domains in multifunctional enzymes: catalytic machines for multistep reactions”. Annu Rev Biochem 69: 961-1004. PMID 10966480.  [1]
  2. Akbari M, Ostadmohammadi V, Lankarani KB, Tabrizi R, Kolahdooz F, Khatibi SR, Asemi Z (October 2018). “The effects of alpha-lipoic acid supplementation on glucose control and lipid profiles among patients with metabolic diseases: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials”. Metab. Clin. Exp. 87: 56–69. doi:10.1016/j.metabol.2018.07.002. PMID 29990473. 
  3. Beitner H (October 2003). “Randomized, placebo-controlled, double blind study on the clinical efficacy of a cream containing 5% alpha-lipoic acid related to photoageing of facial skin”. Br. J. Dermatol. (4): 841–9. PMID 14616378. 
  4. Perricone, N (2000). “Topical 5% alpha lipoic acid cream in the treatment of cutaneous rhytids”. Aesthetic Surgery Journal 20 (3): 218–222. doi:10.1016/S1090-820X(00)70020-3. https://doi.org/10.1016/S1090-820X(00)70020-3. 
  5. α-リポ酸(チオクト酸) - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所
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外部リンク

  • Lipoic Acid(英語) - (オレゴン州大学・ライナス・ポーリング研究所)